日本人男性の9割が発症!?
前立腺肥大症
前立腺肥大症は、膀胱の下、尿道括約筋の奥にある前立腺の内部が大きくなる病気で、主に50歳以降の男性に多い病気です。
前立腺肥大症にかかると尿道の圧迫によって膀胱内に尿が溜まり、結石や尿路感染症の原因になったり、尿道の閉塞によって腎臓に負担をかけることになります。
前立腺肥大症は、症状によって必ずしも治療が必要になるわけではありませんが、前立腺がんの可能性もありますので、一度専門医の診断を受けることをおすすめします。
前立腺肥大症の症状
前立腺肥大症は、以下のような症状が現れます。
- 残尿感・・・おしっこの流れが悪くなる
- 頻尿・・・さっきトイレに行ったばかりなのに、またすぐトイレに行きたくなる
- 夜間頻尿・・・夜もたびたびトイレに通う
- 尿線最小・・・おしっこの出が悪い
- 切迫性尿失禁・・・急に漏れそうになるほどおしっこがしたくなる
- 腹圧排尿・・・力を入れないとおしっこが出ない、出るまで時間がかる
原因は男性ホルモンと加齢
はっきりとした原因はまだ分かっていませんが、男性ホルモンであるテストステロンの影響や加齢、食生活の欧米化が前立腺肥大症と関わりがあると言われています。
前立腺肥大症チェック
前立腺肥大症の診断基準としてI-PSSスコアが用いられます。
下記の質問表で高い点数が出た方は一度ご相談にご来院ください。
(0~8点:軽症、9~19点:中程度、20点~:重症とされています)
検査と治療
前立腺肥大症の検査は、患者様の症状に合わせて尿流量測定・直腸診検査・超音波診断・腫瘍マーカー測定(血液検査)などを行っていきます。
前立腺肥大症は、前立腺がんの疑いや患者様の日常生活に影響がなければ必ずしも治療が必要なわけではありませんので、患者様ご自身のご希望をよく聞いた上で治療を行っていきます。
治療には主に尿道の閉塞を和らげる飲み薬を用います。
前立腺肥大症の治療薬には、別な治療にも用いられるお薬もありますので、現在服用中のお薬がある場合が必ず医師にお伝えください。
前立腺肥大症は、発症する場所が場所だけに受診するのに抵抗がある病気ですが、恥ずかしさから受診が遅れてしまうと症状の悪化や結石、腎臓の病気などの合併症にもつながってしまいます。
また、仕事中や移動中、映画やライブなど、日常生活でトイレを我慢しないといけない場面は意外と多く、支障をきたすことも少なくなくありません。
現代の日本において、85歳までに前立腺肥大症にかかる男性は90%とも言われています。
決してご自身だけの特別な病気ではありませんので、一度クリニックまでご相談ください。