慢性腎臓病（CKD）について
慢性腎臓病とは
以前「慢性腎不全」と言われていましたが、近年は「慢性腎臓病（CKD：chronic kidney disease）」と言われております。
腎臓病ときくと人工透析をイメージされる方も多いかもしれませんが、それは慢性腎臓病（CKD）が進行して腎不全になった状態です。
じつは、慢性腎臓病（CKD）の患者数は1,300万人以上といわれ、日本人の成人8人に1人がかかっていると考えられる新たな国民病ともいわれるような、誰でもかかる可能性のある病気です。
大切なのは腎機能低下を早期発見・早期治療すること
腎臓は一定レベルまで悪くなってしまうと、自然に治ることはありません。
体を正常に保つために重要な役割を担っている腎臓の機能が低下すると、様々なリスクが高まってきますので、早期発見・治療が重要です。
また、慢性腎臓病（CKD）患者さんでは、狭心症、心筋梗塞、心不全、脳卒中などの心血管系疾患の併発率が高いことがわかっています。
これらの病気の予防や対策も重要です。
CKDの原因
肥満、脂質異常症、高尿酸血症、喫煙などの生活習慣病も悪化を促進します。
またたんぱく尿や血尿が出現する各種「糸球体腎炎」、全身疾患に伴う腎障害などもCKDの原因です。
腎臓は各種薬剤の代謝を行う臓器でもあります。「薬剤性」もCKDの原因になります。
慢性腎臓病（CKD）の進行に伴って現れる自覚症状
慢性腎臓病（CKD）にははっきりとした自覚症状がなく、それが早期発見・早期治療を遅らせている原因になっています。
初期段階では自覚症状がないために放置してしまうことから、慢性腎臓病（CKD）の患者さんが増えているのです。
慢性腎臓病（CKD）の進行に伴って現れる自覚症状
以下のような自覚症状が現れてくる段階では、慢性腎臓病（CKD）がある程度進行していることが多いので、定期的に健康診断をうけて尿検査や血液検査、血圧などでチェックしていくことが大切になります。
- 夜間頻尿 / 夜中に何度もトイレに行きたくなる
- むくみ / 指輪や靴がきつい、寝起きの顔のむくみ
- 倦怠感 / 疲れやすく、常にだるさがある
- 息切れ / 少し動いただけで息切れがする
CKDの検査について
採血、尿検査で簡単にスクリーニングできます。
健康診断で腎機能を指摘された方は、一度ご相談下さい。
精密検査などが必要な場合、近隣の総合病院をご紹介させていただきます。
当院のCKDの治療について
残念ながら慢性腎臓病（CKD）に対する特効薬はまだありません。
しかし、腎機能の低下を緩徐にする方法はあります。
血圧や血糖、脂質、尿酸などをコントロール、貧血の是正、球形吸着炭の使用、腎機能に影響する薬剤の見直しなどを行い可能な限り腎機能低下速度を抑制いたします。
我が国では約34万人の患者様が人工透析（血液透析や腹膜透析）を受けています。
透析導入に至るCKDの大きな原因は、高血圧による腎硬化症、糖尿病性腎臓病です。
したがって、高血圧、糖尿病、慢性腎臓病の3つを同時にコントロール治療しながら腎機能増悪の進行を遅らせ、透析導入を先延ばしにすることが何より肝要です。
予防・管理について
当院では腎臓専門医、総合内科専門医の立場から総合的に慢性腎臓病の予防・管理を行っております。（透析は行っておりません）
また蛋白尿、血尿等が腎炎の初期の可能性もあり、これらも慢性腎臓病の予備軍です。
健康診断等で蛋白尿、血尿が指摘されましたら一度ご相談ください。
だるさや脱力等の原因が電解質（ナトリウム、カリウム、カルシウム等）の異常の可能性もあり、電解質異常は採血で診断できます。
また、腎臓は、薬の代謝・排泄を行う器官でもあります。
現在内服されている薬の量や飲み方が腎臓に負担をかけていないかどうかご心配の方はご相談ください。
Webより診察のご予約を受け付けております。
（当院は「千葉県医師会CKD対策協力医」に登録されております）
